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PIKANDA PART2

2012.10.20-21 南八ヶ岳(2) (頂上小屋~硫黄岳~北沢~美濃戸)

夜の間はずっと風の音が響いていたけれど、それも明け方には弱まりつつあるようだった。夕食後にワインを飲んだら消灯の1時間前からもう寝てしまっていたようで、夜中に目が覚めてからは、うつらうつらしながら1時間おきに時計を見ていた。

小屋のスタッフは3時に起きて朝食の準備を始めたようだった。4時過ぎにトイレに行くついでに小屋の外に出てみると、月は沈んで赤岳山頂の上にはオリオン座が来ていた。快晴。明るくなってきた東の空の向こうに美しい富士山のシルエットが浮かんでいる。

5時前からみんな起き出して一回目の朝食が始まったのが5時15分。朝食を済ませた人から山頂へ向かう道に陣取って日の出を待っていた。5時54分、時間通りに赤い太陽が山の端に姿を現した。赤岳の山肌はモルゲンロートというほどには赤くならなかったけれど、ふと振り返って見ると、向こうの阿弥陀岳を包み込むように赤岳の影が伸びていた。「影赤岳」などと言われることもあるのだということを後に知った。

6時30分、小屋を後にして歩き始める。横岳の険しい岩場を縦走して硫黄山荘で一休み。わずかに硫黄岳への登りをこなして爆裂火口をのぞいたら後は下るだけ。下り始めるとすぐに林の中の九十九折りになっていて、落ち葉の道を気持ちよく降りていった。

南沢とは違って開放的な北沢の道は森林の香りが豊かで本当に気持ちがいい。稜線まで上がらなくても、南沢、行者小屋、赤岳鉱泉、北沢と1日かけてのんびり歩くのも悪く無いような気がした。




赤岳山頂にオリオン。
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金星と頂上小屋。
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山頂への登山道から日の出を待つ人々。
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富士山は圧倒的な存在感。
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阿弥陀岳と「影赤岳」。
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荷物をまとめて歩きはじめた。
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横岳への登りから赤岳を振り返る。
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富士山を背にして横岳の岩場を登っていく。
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切れた西側の底に赤岳鉱泉が見えた。
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横岳のピーク群を越えて行く。
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赤岳の向こうに南アルプスの山々。
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横岳から下って硫黄山荘へと向かう。
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硫黄岳の爆裂火口を覗き込む。
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赤岳鉱泉まで下ってコーヒータイム。特製ラーメンも美味しそう。
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赤岳鉱泉ではアイスキャンディーの準備中。
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開放的な北沢は素晴らしい森の空気で満たされている。
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最後は木漏れ日の中の林道歩きで美濃戸へと帰っていった。
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赤が登り、青が下り。
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    23:49 | Comment : 0 | Top

2012.10.20-21 南八ヶ岳(1) (美濃戸~南沢~行者小屋~展望荘~赤岳頂上山荘)

あちこちの山で初冠雪とのことで、そろそろ夏の体力作りもおしまいという雰囲気。今年は薬師岳、カムチャツカ、越後駒、剱岳、槍ヶ岳と登ってきたけれど、1ヵ月に1~2回程度の山登りで果たして本当にトレーニングになっているのかどうかちょっと疑わしい。それでも何もしないよりはいいかということで、今回は八ヶ岳にお邪魔することにした。

金曜午後8時、いつものように出かける用意をして出勤して、職場から出発。首都高速も渋滞なしで美濃戸の赤岳山荘には午前3時ころに到着した。寝袋にくるまって車の中で仮眠をとる。八ヶ岳も昨日初冠雪だったようで寒気が入ってとても寒い。

7時前に南沢を歩き始めた。苔むした石があちこちに転がるゆるやかな道を登っていく。そういえば去年登った蓼科山もこんな雰囲気だったかな。八ヶ岳は北も南も森の中の登山道の雰囲気がとてもいいんだなあと思いながら歩いて行った。

日が昇っても空気が冷たい行者小屋で休憩してから地蔵尾根へと登っていく。途中のハシゴ場では遭難した方に手向けられた新しい煙草やコーヒーがお花と一緒に置かれていて身が引き締まる。山頂への急な道を息を切らして登り上げると周囲からガスが上がってきてしまい、眺望は全く無くなってしまった。

頂上小屋に入り受付を済ませ、17時の夕食まで昼寝をする。気温は0度あるか無いかという日なのに小屋には次々に登山者が到着して混雑している。食事は2回転となった。

日が暮れるとさーっとガスが取れて星が瞬き始めた。凍てつく風が容赦なく吹き付ける中を、星を見るために大勢の人が外に出てきた。八ヶ岳は周囲の街あかりが入ってしまうので星撮りには不向きな山のようだけれど、見上げると天の川が浮かんでいて、やはり標高が高いところにいることを思い出させるのだった。



薄暗い南沢の道を行く。
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樺の木の黄葉が終わりかけた山肌に陽の光が当たり始めた。
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林の中に陽が差してきてとってもいい雰囲気の八ヶ岳。
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行者小屋から横岳を見上げる。
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ここから一気に350mほど稜線まで突き上げる。
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お昼近くなってガスが上がってきてしまった。
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横岳方面。
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お地蔵さん。
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稜線近くで下山の人と擦れ違いながら登っていく。
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展望荘にもガスが掛かってきた。
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ガスの中の山頂に到着。昨日の雪はほとんど溶けてしまっているけれど、風が強くてとても寒い。
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午後6時過ぎ、日が暮れて急にガスが取れた山頂から諏訪の方を見下ろす。
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消灯の20時まで、それぞれに夜景や星を楽しんでいた。ちなみにこの夜はオリオン座流星群が極大だったらしいけれど、自分が見つけた流れ星は1つだけだった。
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(続く)
    14:53 | Comment : 0 | Top

2011.11.12 アルプス遠望台 蓼科山(女神茶屋~山頂~天祥寺原~竜源橋~女神茶屋)

もともとは蓼科山に登ろうなんて、これっぽっちも思っていなかった。

ちょっと天候が変わるとあっという間に厳しい状況になる11月はあまり山に入る気もしないけれど、金曜夜、天気図を見るとこの週末は南の方は大丈夫そう。なんとなく、夜叉神峠から鳳凰三山にテント持ってあがろうかなんて、身の程知らずにも思い立っていそいそと準備を開始した。

午後11時30分、仙台を出発。一路南へ向かうけれど、ちょっと忙しかった今週の疲れがどっと出てきて、宇都宮を過ぎてしばらくすると強烈な睡魔に襲われる。やむなく都賀西方S.A.で仮眠を取って目が覚めると午前3時半。ここから東京を通って芦安まで行く積もりだったけれど、なんだか都内を通るのが億劫になってきた。

それより今年開通してから未だ通ったことのなかった北関東道を通って上信越の山にでも行こうかと、急遽方針変更。ノートパソコンを開いてとりあえずあれこれ検索をしていると、「北八ヶ岳の蓼科山は美しい円錐形の火山で、諏訪富士と呼ばれて人気が高い」とか。

そういえば佐久、浅間山、北八ヶ岳周辺は今まであまり馴染みが無かった地域。正直に言ってしまうとあまり魅力を感じていなかった地域なのだけれど、高速の開通で近くなったことだし、では行ってみましょう、ということにした。百名山でもあることだし。

Machiさんに知らずしらず影響されてか、いつの間にか百名山制覇を考えてしまうようになっているのには驚きだ。しかしいい山に登ろうと思うと、やっぱり百名山は外せないんだよね、なんて思いつつ驚くほどあっさりと高崎に抜けて上信越道に入る。

横川付近で再び眠気の限界に達してSAで仮眠。今度は朝まで起きなかった。

6時に目覚めると駐車場はすでに満杯。まだ眠気を感じつつも車を出して佐久JCTから中部縦貫道に入り、中山道に降りてビーナスラインへと左折し、ようやく蓼科山麓に入った。

一番簡単な7合目駐車場から登ろうと思っていたのに、ボーッとしていていつの間にか通り過ぎてしまい、ほとんど白樺湖まで来てしまった。スズラン峠を越えるとまた登山口があるようなので、そこから登ることにした。

GPSへの地図の取込みとプリントアウトは、徘徊しながらの思いつき登山には欠かせない作業となった。通信環境を考えればサービスエリアあたりでやっておくべきだったことを登山口でする。慣れてきたので5分くらいで完了できるようになってきた。何よりも蓼科高原あたりでは通信環境が抜群にいいので助かった。


8時30分、女神茶屋前の駐車場に車を止めて山道に入っていく。林間に差し込む朝日が登山道の笹や苔を照らし出して美しい。
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その後は樹間でほとんど展望のない急坂を単調に登る。5才くらいの女の子を連れた夫婦が同じころに駐車場に着いて登り始めていたけれど、小さい子を登らせるにはちょっと大変な山道と季節だなあと思う。自分が別ルートから下山して車を出した15時半でもまだ戻っていなかった。あんな小さな子が11月に7時間以上も山歩きをしているのか、とちょっと心配になった。

さて、森林限界を超えて白樺の枯れ木の林を抜けると山頂下の岩稜帯のトラバース道になった。振り返ると南アルプスと南八ヶ岳の山々。
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良いお天気となって山頂では多くの人が南北アルプスの遠望を楽しんでいた。

南アルプス、北岳方面。
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八ヶ岳
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中央アルプス、木曽駒と宝剣岳か。
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北アルプス、後立山。鹿島槍と五竜が重なって見える、その右に白馬三山。
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そして、槍ヶ岳と穂高連峰。
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2500メートルオーバーの山頂部は旧火口で、だだっ広い。日陰では岩に霜が付いて滑り、水たまりも凍っていた。
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蓼科山頂ヒュッテもすでに閉鎖。左端に浅間山。
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南北中央アルプスは全部見えるのに、富士山はどこにも見えない。あたりまえかも知れないけれどちょっと寂しい。
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開発されつくされた白樺湖周辺のリゾート地が見えてしまうのはちょっと残念。白樺湖の向こうはお隣の百名山、霧ヶ峰・車山。
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帰りは蓼科山荘から天祥寺原へ下りる。
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滝の湯川沿いの平坦地に下りたって蓼科山を見上げる。このルートは静かで、途中で登ってくる1人とすれ違っただけであった。
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誰もいない静かな山道を歩くのは素晴らしいけれど、ちょっとワクワク感が足りなかったのは、山麓の自然度が薄いからなのだろう。
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長い山道を歩いてようやく車道に出ると、駐車場まで20分ほどの登り返しが待っていた。

8:38 1727m 女神茶屋前
11:03 2530m 山頂h着

11:45 2530m 山頂発
12:30 2357m 蓼科山荘
13:33 1962m 天祥寺原
14:31 1649m 竜源橋
14:48 1727m 女神茶屋前

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青:登り 赤:下り
    00:14 | Trackback : 0 | Comment : 2 | Top
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