
5月,鳥海山・千蛇谷で大型の猛禽類と出合い,7月の再訪でイヌワシだった可能性が高いことを知った.
それはそれでいいのだけれど,何故か長女の夏休みの自由研究のお題が,「猛禽類」.
ちょっと待て,簡単に言うけれど,漠然としていて大変だぞ.
やめたほうがいいんじゃない?と反対しつつも,大手を振って山遊びができることに心は揺れた.
そして2泊3日で行ってしまいました.我流のフィールドワーク.
8/14 朝10時半に仙台を出る.高速はもう上りが混み始めている.
酒田みなとICで高速を降りて,手始めに,湯の台口を鶴間池が見えるところまで車で登る.鶴間池への降り口付近を「のぞき」と言うらしいけれど,ここは猛禽類保護センターの方もよく観察しているところだと言う.
次に,その猛禽類保護センターに寄って,調査官の方にお話を伺って情報収集.
ちょうど「のぞき」でイヌワシが頭上を飛んでいったという人が訪問した,と.
ここでためになるお話を沢山していただいた.
さて,たった2日で研究なんて,何ができるのかな,とか考えながら,鳥海高原家族旅行村にテントを張る.
8/15 お天気良好.うろこ雲が高い空にある.
娘の希望の「のぞき」は明日にして,とりあえず外輪まで登ってみる.まあ,イヌワシもいいけど,花もいいしね.
登山は父親の都合で無理矢理予定に入れた.
今回イヌワシに会えなくても,鳥海に登った紀行文でも書かせればいいかな,なんて.

↓河原宿付近から心字雪渓.もうこの時期は「心」の字には見えない雪渓.

↓雪渓の脇を登る.

↓あざみ坂の急登をブチ切れながら登る.

↓外輪に到着.向こうは七高山と行者岳.

↓5月に登った千蛇谷.あの時は谷底から外輪上に鳥が見えた.

↓南麓を広く観察する.遠くに月山.

↓遠くに日本海.担いだ借り物の単眼鏡と水・食料2人分はスキーを担いで上がるのと同じくらい重い.

↓単眼鏡で登山口の駐車場を見てみる.実際には写真よりも鮮明で,歩いている人が1人1人識別出来るくらい.

午前10時過ぎから午後1時半まで観察したけれど,鳥は現れなかった.
ま,そんなもんでしょう.なにせ行き当たりばったりだし.
そんなことより,イヌワシが生育できる山を自分の足で歩いてみたっていうことが大事なんだよ,きっと.
↓心字雪を滑る人.まだ絶滅していなかった!

8/16 「のぞき」に行く.駐車帯に車を停めて,10分ほど崖の脇の山道を歩いていく.
鶴間池への降り口付近に開けたところがあり,池と谷がよく見える.ここでいいのかな?
↓鶴間池.

↓谷を見上げる.イヌワシはこうした岩棚に営巣するという.さすがに営巣場所までは教えてくれないので,自分で探す.まあ,1日では無理だけどね.
オヤジが目を離している間に,娘が声を上げる.イヌワシらしき猛禽類が池の手前を滑空していったと.結局それっきりで,半日かけたけれど,真偽の確認もビデオ撮影もできなかった.

翼を拡げると2mもあるイヌワシは,林の中では狩りはできない.
だから,森林限界より上の草原や,下の開けた旧牧草地なんかは絶好の狩り場になる.
そして,人を寄せ付けない営巣地として最適な深い谷.
この鳥海南麓が,イヌワシにとって最適な自然環境にあることを実感したのでした.
そして自由研究と言うものになるのかどうか,よく分からないけれど,2日間体験した自然をネタに,娘も何か書けるでしょう,きっと.
↓4月に鳥海で出会ったノウサギ.ノウサギの密度はイヌワシの生息に大きく影響するという.

↓帰り道に湯の台でであった「ノスリ」.鳥海山麓には非常に多くの猛禽類が棲息しているという自然保護官の言葉を思い出しながら帰路についた.
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