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PIKANDA PART2

2012.7.15~16 風雨の薬師岳で修行 (2) 薬師峠~山頂~下山

たっぷり眠って午前3時半に起床。コーヒーをいれて朝食にする。夜の間は時折パラパラと来たけれど、降ったというほどの雨は無かった。その代わり風が強かった。薬師峠のテントサイトは風の通り道になっているようだった。山頂方面は残念ながら昨日より濃いガスで、日が昇ってもしばらくは晴れそうもない。

4:24 2294m 薬師峠テント場。とにかく今日の目標は登頂。天候が多少悪かろうが絶対に山頂まで行こうと気合いを入れ、ヘッドランプを点けてまだ薄暗いテント場を後にした。20分ほど前に灯りが二つ登山道を登っていくのが見えていたので、先行者がいることがわかった。

沢状の登山道を200mばかり登る。
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薬師平に出るとここも濃いガスが立ちこめている。
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薬師岳山荘から早立ちした人とすれ違いながら雪渓脇に付けられた登山道を登る。
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しばらくすると薬師岳山荘がガスの中に見えてきた。途中で先行した2人に追いついてみると、小学生くらいの男の子とそのお父さんだった。
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薬師岳山荘では休まずに、そのままガレた道を避難小屋に向けて登っていく。吹きさらしの斜面で時折からだを持って行かれそうな強い風雨の中、早くも登頂を済ませたらしい山荘泊まりの人々とすれ違う。こんなに大勢がこの悪天候で登っているという事実に再び驚かされる。小学生くらいの子供も他にも数人見かけたし、テント場から先行した親子連れはちゃんとした雨具を身につけておらず、ビニールカッパを羽織っただけであった。夏とはいえ3000m級の山だと思うのだが、おそらく下半身はずぶ濡れだっただろう。連休の北アルプスは色々な意味ですごいところだと改めて思うのであった。
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避難小屋から先は水平移動。
6:20 2926m やがて山頂の標柱と祠が見えてきて目標達成。
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祠は薄暗くて中が良く見えなかったけれど、薬師如来像や銅剣などが収められていているという。国土地理院の地形図でも薬師岳山頂には鳥居の印ではなくて、卍マークが付いている。
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見たかった天然記念物、薬師岳の圏谷群は数メートルも見通せない。
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またいつか来ようと誓って早々に下山を始める。そういえばこの山も花の百名山、帰り道は写真を撮りながらゆっくりと降りることにした。
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テント場に帰りついて見るとここは日が差している。軽くパンを食べて8時半にはテントを撤収。お昼までには折立に帰れそう。
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太郎平小屋へ続く木道を歩く。
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太郎平小屋には寄らずにそのまま折立への道に入る。なだらかな稜線歩きはとても気持ちがいい。
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あちらはアルペンルートの弥陀ヶ原。阿弥陀如来様も針の山地獄も雲の中だった。
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富山湾と能登半島を眼前にして降りていく。
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やがて樹林帯に入り、灼熱の登山道となった。途中ベンチで休んでいる人々が一様に写真を撮っている。振り返って見ると、いつのまにか雲がとれて、どっしりとした薬師如来様が優しく見送ってくれているのだった。
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11:25 1355m 慰霊塔に無事下山のお礼をして折立を後にする。途中、亀谷温泉に立ち寄って仙台着は18:30であった。



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2012.7.15~16 風雨の薬師岳で修行 (1) 折立~薬師峠

天気が良くなる見込みは無さそうな3連休だったけれど、無理を承知で出かけてみた。

以前から黒部五郎のカールに行ってみたかったこともあり、この機会に折立から登ってみる計画。土曜の午後10時半に仙台を出発。有峰林道のゲートまで540kmを6時間。道中は意外にも雨に降られずに朝4時半に到着した。

6時にゲートオープンし2番手で折立駐車場に到着。すでに昨日の入山者の車で駐車場は一杯。この天気でもこんなに大勢が入山しているということは驚きだった。

7:00 1355m 折立登山口。慰霊塔にあいさつしてから登り始める。間違いなく降られるだろうと、ザックにカバーを掛けて雨具を下だけ着けて歩き始めた。案の定少しも行かないうちに大雨になった。木の陰で上の雨具も羽織り、川になった登山道をひたすら登る。
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登山道脇のお花が心を癒してくれる。降られる覚悟はあったけれど、一向に止む気配もないので、だんだんと気が重くなってくる。初めて歩く道、ガスで視界が効かないので太郎平小屋までの距離感がつかめずに辛い。
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10:10 2324m 雨脚も弱まらずうんざりしてきたころ、ようやく小屋が現れた。折立から3時間少々掛かった。
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軒下を借りてお湯を沸かし、暖かい味噌汁を飲んでおにぎりを頬張る。後から来て隣に座った女性はさらに上の薬師岳山荘泊まりの予定だそうで、彼女もおにぎりを食べると「身体が冷えちゃったからそろそろ行きます」と言って、強い雨の中に出ていった。自分もこんな天気の中、かなり距離のある黒部五郎小屋まで行く気にはなれず、行く先を薬師岳に変更。テン場のコンディションが悪ければ小屋泊まりに変更するつもりで、とにかく薬師峠まで行ってみることにする。

霧に包まれた木道を10分ほど歩いて行くとじきに雨が上がり、数十メートル下に薬師峠のテントサイトが見えてきた。テントは8張りほど残されていた。
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降りていくのと同時にガスが取れ始めて日差しまで出てきた。悪天候のなかテント泊をしている人が大勢いるのを見て、なんとなく安心してしまい、ここで一晩過ごすことに決める。昨夜は30張り以上もあったのだいう。
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テントを張り終えてさてどうしようかとなった。明日の天気もどうなるかわからないので、今日中に山頂まで行ったほうがいいのかも知れないけれど結構時間が掛かりそう。管理人さんが2時頃に料金を徴収に来るというし、どうしたものか。

あれこれ考えているうちにだんだんと面倒臭くなってきて、もう行動は打ち切ってビールを買って飲むことにしてしまった。

片道15分ほどの太郎平小屋まで戻ってビールを買いに行く。来たときは全然視界の無かった稜線の道も今は見通しが良くなっている。
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振り返ると薬師平より上のガスがちょうど取れるところだったけれど、明日まで持ってくれることを願うばかり。
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増水していそうな薬師沢。あの向こうの高天原もいつか行ってみたいところの一つだ。
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当初予定の黒部五郎方面は相変わらずガスに包まれたままだった。
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池塘もあって雰囲気のよい太郎兵衛平をのんびり散歩した。
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1本500円のビールを2本手に入れるとすぐにテントに帰り、横に生えているチングルマを愛でながら1本空ける。
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隣に4人の男女が大きなテントを張って楽しそうにしている。その声を聞きながら少し早い夕食とした。

午後4時半にテントの受付が始まった。500円を払ってタグをテントに付ける。もう何もすることが無くなってしまったので、水場で冷やしておいたもう1本のビールを開けた。

徹夜の疲れがドッと出てきて、あとは吸い込まれるように眠りに落ちていく。時折目が覚めても時間の確認をしただけですぐにまた眠くなり、いつ暗くなったのかもわからないという感じで午前3時半まで熟睡だった。


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