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PIKANDA SEASON 2

2018.7.15-17 大峰の奥駆道 (3) 小笹の宿~大峯山寺~洞川温泉

朝6時すぎ、小笹の宿のテントを撤収して歩きはじめて1時間ほどで大峯山寺に到着。
時間が早いため有名な行場である西の覗にも誰もいませんでした。不心得者ゆえ宿坊の休憩所でビールを買ってのんで、そのまま洞川まで一直線に下山していきました。

小笹の宿は山上ヶ岳の古い行場の一つです。水が取れてまとまった平な土地があるので使われたのでしょうか。
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修験道、とは山岳信仰と仏教が複雑に絡み合った日本独自の宗教です。色々読んでもよく理解できません。とにかく神でも仏でもない草木や自然との調和を目指したもの、ということでいいのかな。
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綺麗な小笹の宿の草原。
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奥駆道を歩き出します。
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1000年以上の歴史をもつ修験の道。
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そうして、大峯山寺が見えてきました。
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吉野は近いですが、熊野大社は遠いですねー。
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大峯山寺の本堂です。寺、とはいっても修験道のお寺なので普通の仏像はありません。
本尊は金剛蔵王権現という日本生まれのもので、究極不滅の真理=神仏を含むあらゆるものをつかさどる王、なんだそうです。すごく偉いのね。
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お花畑、という名前の笹藪が広がっていました。春には何かさくのでしょうか。
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とにかく、8世紀に創建されて以来何度も火災で焼失。元禄時代再建の本堂は国の重要文化財なのです。
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周囲には大峯山寺を護る5つの寺院の大きな宿坊が立ち並んでいます。修験者も一般登山者も宿泊でき、標高1700mの山の上にあるにもかかわらず、お風呂にも入れるのだそうです。
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護持院のひとつ、龍泉寺の宿坊と休憩所。
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朝の8時ですがビールを頼んだら出してくれました!
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西の覗という行場です。ここでは両足を二人の先達の方に支えてもらって断崖絶壁から逆さ吊りされる行が行われます。
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金属の鎖は、行者の足を持つ先達のためのものです。行者は腰にロープ巻かれるそうですが、その端っこはどこにも繋がれないのだそうです。
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ということで、事故があっても自己責任ということで。ビールを飲んだ状態でフラフラ近付いてはいけません。速やかに下山しましょう。
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吉野への道はまた今度ということで、今日は洞川温泉まで一気に下ります。道を覆うように作られた休憩所が何カ所も出て来ます。
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時間が早いからか、平日だからなのか、どこの休憩所でもお店は開いていません。
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ひとしきり歩いて杉の林を抜けると・・・。
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女人結界門を出て俗世へ帰ってきました。
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洞川までの道をテクテク歩きます。
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洞川の温泉街を歩いていると、両サイドは陀羅尼介丸のお店とお土産屋さんがあふれています。山の中でお腹を壊す行者さんのために開発された伝統の胃腸薬が陀羅尼介丸です。原料には山で取れる薬草のゲンノショウコが入っていました。
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2018.7.15-17 大峰の奥駆道 (2) 弥山~八経ヶ岳往復~行者還岳~大普賢岳~女人結界門~小笹の宿(テント泊)

標高1900mの弥山のテント場で朝を迎えました。八経ヶ岳にご来光を見に行って戻ってきたら出発です。

昨日来た道を戻りつつ、今日は山上が岳を目指して縦走です。盛夏で日が昇ると極端に暑い修験の道。水がどんどん減っていきます。小屋で補給して出発してきましたが、途中の水場で汲もうと思って2リットルしか持たなかったのがあとあと響きます。

昨日の分岐を過ぎると極端に人の気配が少なくなりました。3時間も歩いて行者還小屋に辿りつきましたが、なんと当てにしていた水が出ていません!
重たいザックを背負って真夏の山道。この先幾つもピークを越えていかないといけないのに、残りの水はたったの500mlでした。

案の定、脱水症状で急減速して同じくらいの距離を6時間もかかってようやく小笹の宿に辿りついたのでした。


今回歩いたのは大峯奥駆道のi一部です。南の八経ヶ岳から北の山上ヶ岳まで20km程度でしょうか。大峯奥駆道と熊野古道をあわせて新宮から吉野まで170kmと言われていますが、何回かに分けて踏破できないかなあと。
s大峯

夜明け前に八経ヶ岳の山頂に着きました。ここを辿っていくと熊野古道を経て紀伊半島の先端まで修験道が続いています。
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夜明けです。
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今日これから越えていかないといけないピーク群。その左のたおやかな山稜が山上ヶ岳となります。
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構図はよかったのですが、錫杖がピンボケでした。
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大峰山脈の最高峰の山頂は質素です。古来から弥山のほうが盟主とされてきたのでしょうか。
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弥山小屋前で修験中の山伏さんにお願いして1枚。緑のぼんぼりが新しいのでキャリアが浅いということが解るのだそうです。
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今日は暑くて長い1日になりそう。
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弥山から3時間、無人の行者還非難小屋に到着。中はきれいです。しかし・・・この先にある水場が涸れていてその後大変なことになりました。うしろのピークが行者還岳です。
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いかにも行者さんが籠もっていたかのような岩室。
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行者還岳という名前の通り、通るひとを寄せ付けないような険しい道には長い木のハシゴが架けられています。
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行者還岳に寄り道して下ってくると、一筆書きのTさんが登ってくるところでした。どうやら奥駆を私と同じ方向に歩いている模様。
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七曜岳への登りの途中であっさりとブチ抜かれました。声をかけると一瞬立ち止まって笑顔で振り返ってくれました。ありがとうTさん。今日は寄り道して大台ヶ原に行くとのことでした。

水切れで真夏の登山道を歩くのは大変なことです。1日歩いて12人しか出会わなかった場所なので、なんとか水を手に入れないと死んでもおかしくありません。樹木で遮られて直射日光があまり当たらないのが救いでした。
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ようやく今日最大の難所、大普賢岳のピークです。ここを越えたらゴールは近いかも。
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そうして、いよいよ女人結界門をくぐります。
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男装して侵入した女性のトレイルランナーがネット上でバッシングされていたのが記憶に新しいところですが、古来からの宗教概念を尊重すべきところでしょう。
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そうして辿り付いた小笹の宿の源頭。ありがたい水が湧き出てしたたり落ちていました。ペットボトルに汲んで透かしてみてもゴミ一つない綺麗な水です。
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テント場も近くにある避難小屋も無人です。テント張らせてもらって夕食をとると、ようやく長い1日が終わります。朝からずーっと山道を歩いていました。
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