PIKANDA PART2
2011.12.10 八甲田藪スキー 初滑り(1) (酸ヶ湯~硫黄岳西斜面~仙人岱)

金曜夜、ようやく週末となりそそくさと職場を後にした。水曜から週末にかけて寒気が入って少し降ったようなので、いよいよシーズンインとすることにした。
1月に八甲田でのツアーも計画されているので、下見の積もりで行ってみることにして北へと車を走らせる。
仙台の自宅を午後9時半に出発。気温は仙台でプラス1℃、一の関マイナス1℃、盛岡マイナス4℃と順調に下がっていき、西根を過ぎたあたりから降雪になった。これは八幡平もいいかも、などと思いながら新品のスタッドレスで快調に雪の東北道を流していく。
午前1時すぎに黒石I.Cで高速をおりて酸ヶ湯への道を辿る。気温はマイナス6℃。道路脇にスポーツカーがひっくり返っているのを横目に城が倉のゲートまでやってきた。今日はここで夜を明かす積もりだったのに、どういうわけかゲートが開いている。これはラッキーなのか?とりあえず何の障害もなく酸ヶ湯に着いてしまった。
除雪終点に車を止めて厚着をしてシュラフをかぶって仮眠をとりながら夜明けをまった。エンジンは掛けずとも耐えられる程度の寒さだった。

積雪次第では行ってみたい斜面は沢山あるのだけれど、まだ藪も埋まりきっていない状況では行けるところも限られている。城が倉のゲートが開いていたことで、すでに早朝発の仙人岱ヒュッテでの泊まりを決めていた。
この時期は仙人岱へは酸ヶ湯から夏道を登るべきなのだろうけれど、せっかく雪があるので硫黄岳の斜面からトラバースして行ってみようとザックを泊まり装備にして灯油を4.5リットル担ぐ。天気も今ひとつで、藪や雪の状態も全くわからないので、ダメだったら道路上を散歩するだけということにしてとりあえず出発した。
国道394号線除雪終点。谷地温泉まで冬季通行止め。路面の積雪は3-40cmといったところか。まだ日が昇りきらない。支度をして7時40分にゲート横から歩き始めた。標高930m。

地獄湯の沢と、もう1本沢を見送ってそろそろ硫黄岳への斜面へ取りつ・・・きたいところだが、藪だらけ。

8:07 ゲートから650mほど歩いたところ。上は必ずやいい斜面だろうと信じて藪こぎを始める。

少し藪も薄くなってきたけれど、まだまだ邪魔なものが多い。

まあこの時期はどこもこんなものだろうと思いながらアオモリトドマツの林を進む。気温は低いものの風もなく穏やかな天気。誰もいない静かな林の中で今シーズン初めてのシール登行を楽しむ。

さらに疎らになって、この辺なら滑れなくもない。雪はサラサラで申し分ない。

振り返ると南八甲田と岩木山が見えるようになっていた。

10:00 1200m 傾斜が付いてきたここからが大変。巨人兵は早くも姿を現わしつつあり、藪は無くなったものの思いがけず樹林が濃くて進むのに難渋する。1300m付近から大岳と硫黄岳とのコルに向かってトラバースを開始したのだが、相当に苦労。地図上ではほんの数百メートルなのだが、ニッチもサッチも行かない。スキーを外したり、木の枝の上を越えたり、下を這いずりまわったりしながら進む。

この辺ではいつのまにかポケットが開いていて、予備の電池とメモリーカードを落としてしまった。下に酸ヶ湯の建物が見えた。

このトラバースルート、絶対にお勧めしません。仙人岱には普通に夏道を行くのがいいでしょう。ただし湯ノ沢は真冬は雪崩に注意が必要です。

12:00 1291m 2時間にも及ぶ巨人兵との格闘ののち、雪まみれになってコル近くに達すると前方に小岳と高田大岳が姿を現した。ご褒美のつもりなのか、天候も急速に回復。手前木のない斜面の上の林間に仙人岱ヒュッテの頭がちょこんと見えて、すこしモチベーションも回復。

振り返る硫黄岳の東斜面はなかなかいい雪付きだった・・・

12:34 1322m ゲートから歩き始めてたっぷり5時間も使ってようやく仙人岱ヒュッテに到着。スキーを脱いで中に入ると、さっきまで誰かいたようで暖かい。小屋の周りには1人か2人のスノーシューの跡が残っていた。
ペットボトルで持参した灯油は自分がどのくらい使ったかを確認するために、共用カンには入れずに直接給油した。当初はストーブをつけないで厚着しただけで頑張ってみたものの、あえなく撃沈。室温はマイナス2℃まで下がり、小屋の中で吐く息が白い。外気温は酸ヶ湯でマイナス6℃なのでこの辺はマイナス10℃くらいか。

天気は良いし、硫黄岳、大岳の斜面も雪付きはばっちりだけど、あまりの疲労にこれ以上スキーを履く気にならない。昼食を採ったり、シュラフにくるまって昼寝をしたりしながら時間を使う。午後3時半過ぎ、太陽が傾いて八甲田の山々を照らし始めた。スキーを楽しむかわりにここに泊まらないと見られない冬の八甲田の夕景を思う存分楽しむことにした。

手前小岳と奥に高田大岳。

八甲田大岳の山頂はすごい勢いで雪煙が流れている。


午後5時前に暗くなってきた。誰か来ないかなあと期待していたけれど、結局もう誰も登ってこなかった。仙人岱ヒュッテで一人きりの夜を過ごすことになったのだった。

仙人岱ヒュッテの夜に続く
1月に八甲田でのツアーも計画されているので、下見の積もりで行ってみることにして北へと車を走らせる。
仙台の自宅を午後9時半に出発。気温は仙台でプラス1℃、一の関マイナス1℃、盛岡マイナス4℃と順調に下がっていき、西根を過ぎたあたりから降雪になった。これは八幡平もいいかも、などと思いながら新品のスタッドレスで快調に雪の東北道を流していく。
午前1時すぎに黒石I.Cで高速をおりて酸ヶ湯への道を辿る。気温はマイナス6℃。道路脇にスポーツカーがひっくり返っているのを横目に城が倉のゲートまでやってきた。今日はここで夜を明かす積もりだったのに、どういうわけかゲートが開いている。これはラッキーなのか?とりあえず何の障害もなく酸ヶ湯に着いてしまった。
除雪終点に車を止めて厚着をしてシュラフをかぶって仮眠をとりながら夜明けをまった。エンジンは掛けずとも耐えられる程度の寒さだった。

積雪次第では行ってみたい斜面は沢山あるのだけれど、まだ藪も埋まりきっていない状況では行けるところも限られている。城が倉のゲートが開いていたことで、すでに早朝発の仙人岱ヒュッテでの泊まりを決めていた。
この時期は仙人岱へは酸ヶ湯から夏道を登るべきなのだろうけれど、せっかく雪があるので硫黄岳の斜面からトラバースして行ってみようとザックを泊まり装備にして灯油を4.5リットル担ぐ。天気も今ひとつで、藪や雪の状態も全くわからないので、ダメだったら道路上を散歩するだけということにしてとりあえず出発した。
国道394号線除雪終点。谷地温泉まで冬季通行止め。路面の積雪は3-40cmといったところか。まだ日が昇りきらない。支度をして7時40分にゲート横から歩き始めた。標高930m。

地獄湯の沢と、もう1本沢を見送ってそろそろ硫黄岳への斜面へ取りつ・・・きたいところだが、藪だらけ。

8:07 ゲートから650mほど歩いたところ。上は必ずやいい斜面だろうと信じて藪こぎを始める。

少し藪も薄くなってきたけれど、まだまだ邪魔なものが多い。

まあこの時期はどこもこんなものだろうと思いながらアオモリトドマツの林を進む。気温は低いものの風もなく穏やかな天気。誰もいない静かな林の中で今シーズン初めてのシール登行を楽しむ。

さらに疎らになって、この辺なら滑れなくもない。雪はサラサラで申し分ない。

振り返ると南八甲田と岩木山が見えるようになっていた。

10:00 1200m 傾斜が付いてきたここからが大変。巨人兵は早くも姿を現わしつつあり、藪は無くなったものの思いがけず樹林が濃くて進むのに難渋する。1300m付近から大岳と硫黄岳とのコルに向かってトラバースを開始したのだが、相当に苦労。地図上ではほんの数百メートルなのだが、ニッチもサッチも行かない。スキーを外したり、木の枝の上を越えたり、下を這いずりまわったりしながら進む。

この辺ではいつのまにかポケットが開いていて、予備の電池とメモリーカードを落としてしまった。下に酸ヶ湯の建物が見えた。

このトラバースルート、絶対にお勧めしません。仙人岱には普通に夏道を行くのがいいでしょう。ただし湯ノ沢は真冬は雪崩に注意が必要です。

12:00 1291m 2時間にも及ぶ巨人兵との格闘ののち、雪まみれになってコル近くに達すると前方に小岳と高田大岳が姿を現した。ご褒美のつもりなのか、天候も急速に回復。手前木のない斜面の上の林間に仙人岱ヒュッテの頭がちょこんと見えて、すこしモチベーションも回復。

振り返る硫黄岳の東斜面はなかなかいい雪付きだった・・・

12:34 1322m ゲートから歩き始めてたっぷり5時間も使ってようやく仙人岱ヒュッテに到着。スキーを脱いで中に入ると、さっきまで誰かいたようで暖かい。小屋の周りには1人か2人のスノーシューの跡が残っていた。
ペットボトルで持参した灯油は自分がどのくらい使ったかを確認するために、共用カンには入れずに直接給油した。当初はストーブをつけないで厚着しただけで頑張ってみたものの、あえなく撃沈。室温はマイナス2℃まで下がり、小屋の中で吐く息が白い。外気温は酸ヶ湯でマイナス6℃なのでこの辺はマイナス10℃くらいか。

天気は良いし、硫黄岳、大岳の斜面も雪付きはばっちりだけど、あまりの疲労にこれ以上スキーを履く気にならない。昼食を採ったり、シュラフにくるまって昼寝をしたりしながら時間を使う。午後3時半過ぎ、太陽が傾いて八甲田の山々を照らし始めた。スキーを楽しむかわりにここに泊まらないと見られない冬の八甲田の夕景を思う存分楽しむことにした。

手前小岳と奥に高田大岳。

八甲田大岳の山頂はすごい勢いで雪煙が流れている。


午後5時前に暗くなってきた。誰か来ないかなあと期待していたけれど、結局もう誰も登ってこなかった。仙人岱ヒュッテで一人きりの夜を過ごすことになったのだった。

仙人岱ヒュッテの夜に続く
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