PIKANDA PART2
2011.12.11 八甲田藪スキー 初滑り(3) (仙人岱~地獄湯ノ沢~酸ヶ湯)

青が登り、赤が下り。この時期の山スキーとしてはまったくお勧めできないルートです。
明日の夜までは弱い冬型が続くので天候の回復は期待できない。寄り道しないでさっさと帰ることにしたが、昨日大変な思いをして登った硫黄岳西斜面を帰るなどは論外で、地獄湯ノ沢の夏道を下りる他に選択肢は無かった。

吹雪が強くなり空も暗い。ヒュッテを出発して分岐を左折し地獄湯ノ沢の入り口に立つと、正面から雪の粒を叩き付けられて前を向くこともままならない。
7:10 1304m 地獄湯ノ沢入り口。吹きだまりとクラストの道をスキーで下りていく。暗い上にガスと吹雪で雪面がよく見えない。石の小橋を過ぎたあたりからやや傾斜のあるクラストした谷間ではスキーを外す必要があった。

少し開けたところでパウダーゾーンに入り再びスキーを履く。ただし時期的にも新雪に隠れた落とし穴があることが予測されるので、気が抜けない。

左右の壁はまだ雪崩を心配するほどの雪はなかった。

この日唯一楽しめた数ターン。けれど視界も今一つ、雪の下も信用できないとあって、雄叫びを上げるほどの精神的余裕はない。

入り込むと左右に逃げ道はなく、雪がある限りはそのまま下ってしまうことになる地獄湯ノ沢。

蟻地獄のような穴が一カ所前方に見えていた。右岸から高巻いた積もりだったのにクラストした雪面で横滑りして見事に穴へ吸い込まれてしまった。幸い谷底は浅く、水に濡れることなくスキーを外して脱出。

やがて完全に沢床が見える状態になった。ここよりももっと手前で夏道は右岸から尾根を越えていくのだけれど、下りすぎた自分は右手の急斜面をよじ登るしかなかった。

右手が60度くらいの急斜面になっていて、腰から胸まで雪に埋もれながら笹をつかんで5メートルほどよじ登る。頭上にはカバの木の枝が無数に被さってきており、大変な思いをして尾根を乗越した。

GPSで夏道の位置を確認して合流。もう藪こぎや崖登りは沢山。先週から今週にかけて踏み固められたトレースをありがたく使わせてもらって下りていく。昨日も今日も誰にも会わずに終わりそうだと思っていたら、途中登りの2人とすれ違い言葉を交わす。

除雪車の音が聞こえてきてそろそろ酸ヶ湯も近い。

9:30 897m 酸ヶ湯の鳥居前。こういうダケカンバの枝が雪でつぶされて見えなくなるまであと2~3降りは必要であろう。仙人岱からの所要時間は2時間半であったが、夏道のトレースが無かったらさらに数時間かかっての藪こぎ下山になったに違いない。
久しぶりに雪まみれになった2日間は滑りを楽しむような状況ではなかったけれど、無事に帰ってきて振り返ってみると結構楽しい時間だったなあと思ってしまうのであった。


吹雪が強くなり空も暗い。ヒュッテを出発して分岐を左折し地獄湯ノ沢の入り口に立つと、正面から雪の粒を叩き付けられて前を向くこともままならない。
7:10 1304m 地獄湯ノ沢入り口。吹きだまりとクラストの道をスキーで下りていく。暗い上にガスと吹雪で雪面がよく見えない。石の小橋を過ぎたあたりからやや傾斜のあるクラストした谷間ではスキーを外す必要があった。

少し開けたところでパウダーゾーンに入り再びスキーを履く。ただし時期的にも新雪に隠れた落とし穴があることが予測されるので、気が抜けない。

左右の壁はまだ雪崩を心配するほどの雪はなかった。

この日唯一楽しめた数ターン。けれど視界も今一つ、雪の下も信用できないとあって、雄叫びを上げるほどの精神的余裕はない。

入り込むと左右に逃げ道はなく、雪がある限りはそのまま下ってしまうことになる地獄湯ノ沢。

蟻地獄のような穴が一カ所前方に見えていた。右岸から高巻いた積もりだったのにクラストした雪面で横滑りして見事に穴へ吸い込まれてしまった。幸い谷底は浅く、水に濡れることなくスキーを外して脱出。

やがて完全に沢床が見える状態になった。ここよりももっと手前で夏道は右岸から尾根を越えていくのだけれど、下りすぎた自分は右手の急斜面をよじ登るしかなかった。

右手が60度くらいの急斜面になっていて、腰から胸まで雪に埋もれながら笹をつかんで5メートルほどよじ登る。頭上にはカバの木の枝が無数に被さってきており、大変な思いをして尾根を乗越した。

GPSで夏道の位置を確認して合流。もう藪こぎや崖登りは沢山。先週から今週にかけて踏み固められたトレースをありがたく使わせてもらって下りていく。昨日も今日も誰にも会わずに終わりそうだと思っていたら、途中登りの2人とすれ違い言葉を交わす。

除雪車の音が聞こえてきてそろそろ酸ヶ湯も近い。

9:30 897m 酸ヶ湯の鳥居前。こういうダケカンバの枝が雪でつぶされて見えなくなるまであと2~3降りは必要であろう。仙人岱からの所要時間は2時間半であったが、夏道のトレースが無かったらさらに数時間かかっての藪こぎ下山になったに違いない。
久しぶりに雪まみれになった2日間は滑りを楽しむような状況ではなかったけれど、無事に帰ってきて振り返ってみると結構楽しい時間だったなあと思ってしまうのであった。

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Comment
2011.12.14 Wed 06:39 | PIKANDA #-
えむとらさん。
>>ヤブを極めてくださいな
いえいえ、えむとらさんのお株を奪うわけには行きません。出来るだけ藪の無いところを選びます。それにしても、藪スキーは体力要りますね。途中で疲れて動けなくなったら大変です。
>>ヤブを極めてくださいな
いえいえ、えむとらさんのお株を奪うわけには行きません。出来るだけ藪の無いところを選びます。それにしても、藪スキーは体力要りますね。途中で疲れて動けなくなったら大変です。
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