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PIKANDA SEASON 2

2012.8.8 カムチャツカ(8) イワンの祈り

午後はとても暑く、キャンプに帰ると女性数人はいきなり人目も憚らずにビキニ姿になって近くの池に身体を拭きに行った。さすがヨーロッパ人は違うなあと大きなカルチャーショックを受けたのだった。

2晩目の夕食時には少し打ち解けたロシア人達が話しかけてくるようになった。一人でモスクワから来たという24才のユリアは日本語にも興味があるようで色々と質問してくる。モスクワには今「寿司屋」が沢山できていてちょっとした日本ブームなのだそう。

食事を済ませて日が傾くと急に寒くなってきて、ほとんど全員がたき火の回りに集まった。みんな自分の飲み物を持ってゆっくりとした時間を楽しんでいた。黙ってたき火を見つめていたり、とりとめもなく話をしていたり、何をしていても良かった。

運転手のウラジミールがウオッカを持ってきて、みんなのカップに注いで回ると、ロシアの風習に従ってイワンが乾杯の口上を始めた。イワンは最初はロシア語で、次に英語でゆっくりゆっくりと話した。

「世界中から人々が集まって大自然の中で遊び仲良くなる。なんて素晴らしいのだろう。みんながいつまでも幸せでありますように。カムチャツカの自然がいつまでもここにありますように。」

そんな事を言っていたように思う。ロシア語の「乾杯」は結局憶えられなかったけれど、ユリアが笑いながら日本語で「カンパイ!」と言ってくれた。

ロシアの辺境の地でたまたま出会った人々が、人種も国家も関係なく同じ時間と感覚を共有するという、なんとも得難い体験であった。


メスは下を向いていた。私は午前0時でテントに引き上げたが、一番遅い人は朝の3時ころまでロシアの唄を歌って楽しんでいたようだった。
sIMGP0189-1.jpg


(続く)
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    18:39 | Comment : 2 | Top
Comment
みんながカメラマンの方を見て微笑んでくれてるのがいいですね。

その場の良い雰囲気が伝わってきます。

それにしても寒そう。。。
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2012.08.19 Sun 23:44  |  PIKANDA #-
>>えむとらさん
日中は暑かったのですが、夜は冷え込みました。ウオッカでちょっとマヒしていましたけれど。
黄色いジャケットのメスは下向いて自分のカメラいじっています(笑)。緑とピンクの二人がスロバキアのご夫婦で、その他がロシアの方です。皆さん本当に優しい方々でした。
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