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PIKANDA PART2

2015.9.14-16 幌尻岳

戸鳶別山頂から幌尻岳(初日の昼) 
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9月13日、土砂降りの中二俣沢の登山口に到着して車中泊。夜中に空を見上げると星が出ていました。

9月14日、朝5時スタート。北戸鳶別岳のコルのテン場まで5時間かかりました。ここから幌尻岳の山頂まで続く、長くてアップダウンのきつい稜線を見ていたら、これ以上重荷を担いで行こうという気にはなりません。荷物を降ろしてテントを張り、北トッタの山頂でラーメンを食べてもう11時過ぎです。
kita.jpg

稜線に足を踏み出して次の戸鳶別岳の山頂に12時半。ここからさらに幌尻岳を往復して暗くなるまでにテン場に帰れるでしょうか。'歩いたことが無いので全然時間が読めません。七つ沼カールと戸鳶別カールの紅葉はとにかく綺麗です。今日のところはこれで満足してテントに帰ることにしました。
totta.jpg
33
(戸鳶別岳山頂から七つ沼)
sIMG_0710.jpg
(トッタベツカールは2つの複合圏谷)

①明日このまま下山(敗退)、②明日早朝から幌尻往復して下山、③明日はゆっくり幌尻岳往復、明後日下山。という3パターンあり得ます。天気も食料も3日間は大丈夫な感じですが、水が足りなくなる恐れがありました。入山時に担いだのは3500、その後トッタの泉で500を補給しただけです。

16時、単独の方が1人登って来て、話をします。やはり明日早朝から幌尻往復してそのまま下山するとの事で、50mほど上の山頂のテン場に登って行かれました。夕方カミナリが鳴っていましたが、山頂は大丈夫なのかとちょっと心配になりました。

9月15日 4時ころ明るくなります。5時に起き出して朝食。6時に北トッタ山頂に登ると、無人のテントが張ってあり、昨日の方はもう1.5キロ先の戸鳶別岳山頂におられるようです。出遅れましたが、遠い日高の山に来るチャンスもあまり無いことなので頑張ることにします。
(↓七つ沼カール)
sIMG_0752.jpg
ryosen.jpg
(↓幌尻岳北カール)
kitakaru.jpg
(↓幌尻岳東カール)
higashikaru.jpg
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結局、幌尻岳往復に6時間掛かって12時丁度に北トッタのテント場に帰りつきました。頑張ればまだ下山可能な時間です。ただ、かなり疲れていたのと暗くなりかけた沢道で迷う「自信」があるので、若干躊躇していました。残りの水は700mlです。幌尻山頂下で昨日の方と再び話をしていました。水が不安でもう1泊は出来ないかも知れないことを話したのですが、なんとテントを開けると500ミリリットルのボトルが1本、メモ書きとともに置かれているではありませんか。その瞬間、山中2泊目が確定しました。釧路のFさん、命の次に大事な水を本当にありがとうございました。


9月16日 朝はガスです。周囲は霜がおり、テント内部は結露です。
sIMG_0743.jpg

Fさんのおかげでいつも楽しみにしている朝のコーヒーもいただけました。本当は1泊だけの予定だった念願の日高の稜線での幕営を2泊することができました。日の出から丁度2時間、稜線の向こうから太陽が顔を出したようで、薄暗い北トッタの谷底に光が届くと急速にガスが噴き上がってきます。もうしばらく待って居たらガスが取れて美しいカールが姿を現したでしょうけれど、2日間で十分堪能していたので躊躇なく下山を始めました。近くで昨日テントを張っていたらしい単独の人とすれ違います。さらに3人ほどとすれ違って11時ころに下山しました。明日は天気も下り坂という予報ですが、強者ばかりだなあと感心してしまいます。

11_2015091815005966b.jpg
(日の当たり始めた谷筋の沢を降りて行きました。)

微妙な感じでなんとか登頂できましたが、やはり経験のない自分にとっては難しい山でした。指導標も最小限で、足下の道がハイマツで隠れて見えないなんていうのも当たり前の日高の山道。またいつか足を踏み入れる機会があるかなあと3日間のことを思い出すのでした。
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    22:20 | Comment : 6 | Top
Comment
2015.09.17 Thu 09:47  |  machi #-
最難関の幌尻岳登頂おめでとう御座います!!
やはり一筋縄では行けない難しい山でしたか。
他の記録に、渡河する時は時間を掛けて対岸を見ると何処かに必ずテープがあるとか、降水後は渡河が難しくなるとか、トッタンに登るまでが勝負とも書いてありましたね~
テントはカールじゃなくて山頂付近にしたのですね。
カールなら湧水もあるらしいので水の心配はなくなりますが、ヒグマも水飲みに来ますからね~一人じゃ怖いよね
お供出来れば良かったのですが(~_~;)
無事に下山されて良かったです。
しかし、トッタン携帯が繋がるとはビックリ~(@_@)
一人の時は心強いですね~
私が行くときは、林道歩きは大変だけど田中さんも利用した新冠ルートで山小屋一泊で行きますかね~登山証明書も出るようだし(~_~)

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2015.09.17 Thu 19:16  |  PIKANDA #-
>>Machiさん
コメントありがとうございました。今フェリーに乗ったところです。今日も実は天気が良くて、銀泉台の紅葉を見て高原温泉のお風呂に入って帰ってきました。層雲峡は平日なのに北アルプスに居るような込み具合でした。
幌尻のルート、どれも一長一短、難しい選択でした。シャトルバスと山小屋でお金を取られるのがちょっと嫌だったのでチロロから入ったわけです。周辺の全てのカールが見られるという景観の面では北戸鳶岳経由がベストだと思います。今回行ってみて、日高の他の山々も登ってみたいと思いました。
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2015.09.18 Fri 08:51  |  moka #JalddpaA
幌尻岳登頂おめでとう御座います。深くて長く判断が難しいですね。お疲れさまでした。
お水の話。・・いいお話です〜。・・担ぐ量も参考になりました。

先日は相談に乗って頂き有り難う御座いました。おかげさまでなんとか平穏に過ごしております。この場をお借りしてお礼申し上げます。
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2015.09.18 Fri 14:35  |  PIKANDA #-
>>mokaさん
こんにちは。コメントありがとうございました。
ホントに水の件は釧路の方にお世話になってしまいました。標高差で500mほど下りれば水場があるので、残った水でその日の晩の米炊きと翌朝の分とでギリギリで、結構ストレスでした。そんなところに+500mlは本当に助かりました。夏なら全然話にならなかったと思います。
そうそう、稜線での調理ですが、この時期はヒグマも下におりている様なのでいいのですが、夏は米炊きもコーヒーも良くないような気がしました。火を使うと結構ニオイを振りまきますので。

津波注意報が出ていて、いまだに仙台港に入港できません。仙台湾をぐーるぐるもう4時間以上です。
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2015.09.19 Sat 13:13  |  moka #JalddpaA
日高ですし熊はどこにいても不思議ではないので気を使うでしょうね。私はケモノ通過後の残り香にさえびびってしまいます。

津波注意報解除が4:40ころだったでしょうか。とすると上陸できたのは5時過ぎですか??ご無事で何よりとはいえ大変でしたね。

あ、写真増えてます。(笑)やっぱりカールはいいですね~。
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2015.09.19 Sat 14:24  |  PIKANDA #-
>>mokaさん
結局、1730上陸でした。定刻から7時間半遅れですね。釣り糸でも垂らせばカレイが100枚以上釣れたことでしょう。
写真の腕が悪くて、紅葉の美しさを半分も表現出来ていないのが残念です。一眼は持ち込まず、古いixyとiphoneの写真ですし。
地形図を見ると有名なカムエクの他にもいくつか、これカールかな?っと思うような地形が日高山脈の山の北と東斜面に見られますね。日本アルプス以外では日高山脈でしか見られないみたいなので、とても得した気分でした。
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