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PIKANDA SEASON 2

2010.9.4-5 槍ヶ岳(3) 槍のテン場で過ごす夜

ビール片手に賑わう山荘前をブラブラとしていると、黒い衣を羽織った坊さまが登ってきた。今日は播隆祭なんだそうで、標高3000mの山上に鐘の音と読経の声が響く。坊さまも無事に穂先に登頂した模様。

↓山荘から西鎌尾根を見下ろす。
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15:00 とりあえずテントに入り、遅い昼食を摂る。今日もレトルトカレーだけれどスプーンを忘れてしまい、山荘に借りに行く。食後のコーヒーなんかを飲み干すと、なんだかテントに陽も当たって暖かい。エアーマットを広げて横になると、徹夜の疲れがどっと出てあっという間に意識を失ってしまった。

18:30 肌寒くなって目を覚ますともうあたりは薄暗い。テントから顔を出すと、残念ながら雲が出ていて星空は見えない。晩ご飯をと思ったけれど、なんだかお湯を沸かすのも面倒になって、シュラフに入って本格的に寝直すことにした。

さて、シュラフは・・・ん!
が~ん、シュラフも忘れて来ました~。

夏山とはいえ、この高度で一晩シュラフ無しで過ごせるだろうか?とりあえず、ダウンのインナーやら何やら着込むとまあまあいけるような気がする。足が寒いのでザックを空にして両足を膝まで突っ込むとなんとか落ち着いた。

快適とは言えないけれど、山荘に毛布まで借りにいくのはさすがにちょっと恥ずかしいので、一晩それで頑張ることにする。


午後8時半ころ、テントから顔を出すとガスがとれて星が輝き始めた。午後10時までどこかのツアーガイドが小屋の外にお客を連れ出して大声で星空講釈を垂れている。テント場でも11時過ぎまで話し声が響いていて、山のマナーなんて無いに等しい。

「ああ、ここは観光地と同じなんだな」と、気にせずに眠りにつく努力をする。


午前1時頃に寒さで震えが来て目を覚ます。今度はお湯を沸かして食事を摂り、熱いコーヒーを飲んで身体の内側から暖めることにした。ペットボトルにお湯を入れて湯たんぽを作り、もう一度横になる。

次に目が覚めたのは午前3時だった。風でバタバタとフライが音を立てているけれど、顔を出すと三日月と星空だった。
さて、夜明け前の最高の時間がやってきたとあって、もう寝てなんかいられない。カメラを持ってテントから這い出した。



穂先と月とオリオンと
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東の地平線から少し光が入ってくる
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常念岳と常念小屋の灯り。雲海の下は安曇野か。
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蝶が岳と雲海の向こうに、八ヶ岳、富士山、南アルプスなどを遠望。
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上高地も雲の下
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北西を見ると、北アルプス最奥の山々と一際高いのは水晶?
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大喰岳の残雪にも陽の光が当たり始める
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殺生ヒュッテも朝を迎えた
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モルゲンロートも
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すぐに明るい日の光に変わる。
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午前5時過ぎ、槍ヶ岳のテン場にも日の光が射した。ご来光に向かって昨日の坊さまが経を唱える。
さあ、テントを畳んで帰りますか。
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(つづく)

槍ヶ岳山荘~新穂高温泉(下山)
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